以前、有名ラーメン店で修行させていただいたことがあるので、そのときの大変だったことを纏めていこうと思います。
スープを作るのに時間がかかる
業務用スープを使用しているラーメン屋さんにはあまり関係ない話だと思いますがお店できちんとスープを作っているラーメン屋さんで、特に濃厚豚骨のスープの場合スープ作成に時間がかかります。
濃厚なスープを作るためには10時間以上煮込まないといけません。その分コンロのガス料金も半端ないです。
お店によって中休みからスープを作るお店や、営業時間終始スープを作っているお店があります。
濃厚豚骨系は骨からでた髄から旨味がでるために大量の骨粉がでます。その骨粉が原因で寸胴の底がコゲてしまうリスクがあります。コゲがでてしまうとスープが酸化されてしまい美味しいスープにはなりません。
したがって、営業中に忙しくても合間をぬってスープをかき混ぜてコゲ対策をする必要がありました。
私が不定期で仕事を手伝うようになった頃、従業員によってはスープをこす作業が面倒なのであまりかき混ぜるなと言ってくる人がいました。
私が思うにそれスープを不味くしているだけなのでその当時のスープの評判はイマイチでいろんな人から味が落ちたという声があったという話をききました。
コゲるリスクとこす手間で楽しようとすると味が落ちます。
なので時間をみつけてかき混ぜてコゲるリスクと戦っていました。
寸胴を洗うのが大変すぎる
濃厚スープ作成後寸胴を洗うにはもの凄く大変です。
小さい寸胴でコゲがない場合は洗うのはとても簡単ですが、大きい寸胴でコゲがある場合はかなりの重労働となります。
コゲは金たわしを使用しなければ落ちません。
金たわしでゴシゴシこすることで新品のようにピカピカになります。
が、リスクもあります。
金たわしの金が異物となりスープに異物混入として紛れ込む可能性があります。
磨きあげた後に特に気を使って寸胴を洗い流していました。
あまりコゲのつくことがない寸胴は通常のたわしで綺麗にしていました。当然寸胴洗い専用のたわしとして使っています。
茹で時間の間が勝負
ラーメンを作る際に茹で時間に気をつける必要があります。
長く茹ですぎると柔らかくなりすぎ、短く茹でると麺が硬くなります。
着丼の順番
ラーメンとつけ麺のように麺の太さによっても茹で時間が変わってくるので、茹で時間の関係で後から来店されたお客様のほうに先に着丼される場合があります。
このとききちんと茹で時間が長くなる旨を説明しておかないとお客様が不機嫌になってしまう場合があります。
茹でている間の作業
茹で時間内にどんぶりにスープを入れたりするなど、営業後のラーメン屋は茹で時間との闘いになります。キッチンタイマーがなるまでの間にどの程度作業ができるかを頭にいれておかないといけません。
キッチンタイマーが鳴る前にどんぶりにスープを入れる作業が発生しますし、早くスープを入れてしまうとスープが冷めてしまう原因となります。
お客様がサイドメニューを同時に注文した場合、同時に出来上がるようなタイミングで麺を麺茹で機に入れたりなど工夫をしていました。
大量に注文が入ったときの対処法
大量に注文が入ったときに2パターンの人が存在します。
- ゆっくり確実にこなすタイプ
- 同時に大量にこなすタイプ
ゆっくり確実にこなすタイプはお客様の待ち時間が増えても麺を美味しくいただけるように2~3玉くらいまでしか同時に麺を茹でないタイプです。
お客様の待ち時間は増えますが麺がのびるリスクは減ります。
同時に大量にこなすタイプは、仕事が慣れてきて時間差で麺を茹でるというテクニックを身に着けた人がやる感じです。
同時に4玉以上麺茹で機に入れても動じなくなります。
トッピングには時間がかかってしまうためトッピングは複数人で分担すると味も落ちないし客の回転も良くなります。
スープを小分けにする
完成したスープを大きな寸胴にいれて営業時間ずっと保温しているとスープが酸化します。
スープが酸化しなくなるためにスープを小分けにして一定量スープを使い切ったら次のスープを温めなければなりません。
お客様が大量に来店されているときにスープが少なくなってくると焦ります。
次のスープを用意しなければスープが全くなくなってしまうし、スープ作業をすると今いるお客様を待たせてしまうという非常にモヤモヤしてきます。
従業員が複数人いて手分けできるのであればいいですが、ワンオペしてたときにスープがなくなりそうになるとかなり大変でした。
余談
ネギが目にしみる
仕込み中にネギを切るのですが、これがまた目にしみます。
ネギーという機械を使用してネギをきっていました。
チャーシューの巻き方
チャーシューの巻き方に種類があります。
私は師から教わった巻き方をしていますが、他の従業員で巻き方が異なっている人がいました。
チャーシューを巻いたとこから異性の前で料理を作るとドヤれるのでオススメです。
ヤバイ客も一定数いる
普通に接客していても「感じ悪いんで」と言って券売機で支払った料金の返却を求めるクソ客がいました。
着丼した時点で店側の義務は果たしているので返却はしないのが当たり前です。
まとめ
ラーメン屋の仕事はホール専門以外の人は極めて重労働です。
スープが入った寸胴はマジで重いので力に自信がない人や腰が弱い人にはオススメできません。
面白かった点については、他店の情報が入ってくることですね。
地域のラーメン情勢を知ったり他のラーメン屋さんと交流できたり、いい出汁の作り方を教えてもらったり。
今回はラーメン屋の大変だったことをあげてみましたが、逆に言うとそれくらいしか大変なことがないので粛々と業務をこなせるのであれば人間関係以外はストレスフリーで働けるのではないでしょうか。
現在私はシステムエンジニアをしておりますが、業務終了後に悩んだりするような後腐れ感が発生してしまいます。
逆にラーメン屋のような飲食店であれば雇われている身であればその日をしっかり終えるとスッキリした気分になれます。
筋肉もつくし食べ過ぎなければダイエット効果も高いのでラーメン屋修行おすすめです。